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あのJ・J・エイブラムスがプロデュースした「オーヴァーロード」を観ました。
J・J・エイブラムスと言えば、「クローヴァー・フィールド」を始め、「メン・インブラック:インターナショナル」や「キャスパー」、そして「ミッション・インポッシブル」シリーズまでも手掛けているというプロ中のプロ。(M・Iは3、ゴーストプロトコル、ローグネーション、フォールアウト)
そして映画だけでなくドラマでの活躍ぶりも著しく、代表的なとこで言えば、「LOST」、「エイリアス」、「FRINGE/フリンジ」。
「LOST」は神作品ですよ!(ちょっと長いけど)
とまぁ誰が見てもうなずくほどの活躍ぶりなんですが、なんとなんと今年12月20日に公開される「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」を手掛けたのもJ・J・エイブラムスでございます。(ちなみにフォースの覚醒、最後のジェダイも)
ということでそんな重鎮、J・J・エイブラムスの最新作「オーヴァー・ロード」を観たので感想を書いていきたいと思います。
映画「オーヴァー・ロード」の感想 ネタバレなし
さぁということでここからは映画「オーヴァー・ロード」の感想を話していきたいと思うのですが、前半はまだ観てない人の為に、ネタバレなしでの感想を書き、後半からはもう観た人の為にネタバレ全開でお話していきたいと思います。
それではまずはネタバレなしの感想から!
魅せる魅せる!演出力の高さに思わず敬礼!
はいまずはココからお話していきたいと思います。
設定は非常に馬鹿っぽいのですが、最後の最後までチープにみせることなく、ノンストップで駆け抜けていました!これがまず鑑賞後の最初の印象。
もうね、物語が進めば進むほど、馬鹿っぽさが増していくんですよ。予期せぬ方向に舵を切るものだから「船長、それ大丈夫ですか?」と心配していた所、危惧していた事態に差し掛かるんですね。
目の前に氷山が見えるのです。このままじゃ当たる!ヤバイ!と思っていたらそれまですね毛の数を一本一本呑気に数えていた船長が急に立ち上がって、
「こんな時はこうじゃ!!」
全力ダッシュして、氷山に渾身のパンチを当てたんですね。
「スミスパーンチッ!!!」って大声で叫びながら。ドゴーンって感じで。
そして氷山は真っ二つに割れて、無事私たちは船が二つに割れて、海に落ちて、音楽家たちの演奏を聴きながら凍え死ぬという事態を免れたんです。
ちなみに後で船長にスミスパンチとは?と聞いてみたらこう返されました。
「あれは1981年の冬のことじゃった。わしは農家の娘のヘレナと恋仲じゃった。仕事も順調で、休日にはヘレナとペットのムネオ(ショウジョウバエ)と、恐山をバックに3ショットを撮ってはインスタに上げたりして楽しんでいてまさに順風満帆な人生を歩んでおったんじゃ。あ、もちろん露出狂のヘレナは全裸での撮影じゃ。わしは胸部にクロバエのタトゥーが入っていたので、全裸は拒否した。ムネオは勿論全裸じゃ。
とまぁ誰が聞いてもうらやましがるほど豊かな生活をしていてのじゃが、奴が来てから歯車が狂いよった。
スミスの来日じゃ。ポーツマ・スミス。今でもはっきと覚えている。あの男はわしから全てを奪ったんじゃ。ヘレナをBodybookで見つけ出しては、住所を突き止めて急に押しかけてきよった。
そしてわしがみてる前で、ヘレナに服を着よったのじゃ。それもZOZOスーツを。よりもよってあの全身タイツのようなものを着せよった。ヘレナはどうなったと思う?死によった。寿命がきた蝉のようにあっけなく・・・
当たり前じゃ。普通の服を着ただけで恥ずかしくて死にそうなのに、あんな全身露出部分の服着せたらたちまち恥ずかしさで息絶えることなど、ヘレナのBodybookをくまなくチェックしていたスミスなら分かっていたはずじゃ。
それなのに、軽々と服を着せよって・・・いくらヴォルデモートの命令だと言え、そんなのあんまりじゃ。しかも奴はムネオまでも殺しよった。それも片手で握ったんじゃ。そんなのムネオへの冒涜じゃ。ハエを殺す時は両手でやるのが礼儀ってんもんじゃのに・・・
とまぁ過去にそんなことがあってのう。その時感じた鬱憤を約40年の時を経て今こうやって解消したのじゃ。だからスミスパンチとつけてみた。
とのことです。
大分それたので話を戻しますが、要は勢いが凄かったんですね。馬鹿っぽさ、そしてありえない場所への着地ではあったものの勢いがよすぎて、辟易するどころかむしろノリノリになったんですね。話の整合性には問題アリアリでしたが(笑)
序盤の超リアル戦争的な内容、からの劇的チェンジ。毛色どころかもはや種族が違うんじゃないかなと思えるほどの変貌ぶりでしたが、力技と勢いで魅せるわ魅せるわ。
流石J・J・エイブラムスといったところでしょう。
ネタバレなしでの紹介ですので、あまり詳しいことは言えまんが、とにかく伝えたいのは中盤に大胆にシフトチェンジするのですが、その後の(展開)の推進力が実に見事。
衝撃的さもあり、ド派手なアクションシーンもあり、ゲラゲラ笑えるシーンもあったりと凄く楽しい内容となっています。(シフトチェンジの)違和感がないといったら嘘になりますが、一瞬困惑したあとはそのクオリティの高さに「もうどうにでもなれ」といっあ感じになり、その後はもうノリノリ気分で鑑賞できるんじゃないかなと思います。
あとは、演出力がバカ凄い。
あんまり話すとボロが出そうなので、控えめに言いますが、一つ一つの演出が丁寧。戦争シークエンスはもちろんのこと、中盤のあるシーン。観た人は分かると思いますが、あの瞬間を観たらその日眠れないどころか、夢に出てきて次の日起きなくなっちゃうかもしれないほどの恐怖レベルでしょう
おっと危ないこれ以上はネタバレになりそうなのでこれまで。
ということでミスターカラス的にはアリ!な作品でした。
「話の整合性とかどうでもいい。とにかくスカッとしたいんだ!ほどよく人間ドラマも添えて」と言う方にはマージでオススメ。
これを機にあなたもJ・J・マジックにかかってみませんか?
はいということでここからはネタバレありの感想を書いていきたいと思いますので宜しくです。
※ここからネタバレありですのでご注意ください!
映画「オーヴァ―・ロード」の感想 ※ネタバレあり
さて無事ネタバレなしでお話出来たことですし、ここからはネタバレ全開でお話していきたいと思いますね。
序盤の「敵地襲撃シークエンス」と打って変わりまして、終盤「敵も味方もゾンビ化シークエンス」では文字通り展開が滅茶苦茶なことになってましたね(笑)
最初はクロエの叔母のゾンビ化です。正直ココが怖さの沸点でした。ボイスが中の様子を確かめるようにしてこっそりと部屋の中を覗いていると後ろから物音が。驚いて振り返って安全を確認したてまた部屋の中を覗くとゾンビ化しているクロエの叔母が睨みつけていた・・・
というあのシーンでございます。もうこれは予想出来ていたにも関わらず飛び跳ねるほど怖かったですねぇ。叔母さんの悍ましい姿、それに加えて絶妙な間の取り方。もう一級ホラーでしたよあの瞬間は。
インパクト抜群の画を見せられた後にきたのがチェイスのゾンビ化。ハイになって暴れだし、首が凄い角度の曲っていまして、迫力さを意識した見事な演技力でしたが、それを見るクロエの表情もまた実に見事で、「この世の物とは思えない!」みたいな(笑)
ボイスが暴走化したチェイスを見事撃退しましたが、ここで一つ思いましたよ「おいおい1番怖ぇのボイスだろ!」って。よくいるじゃないですか、普段は虫1つ殺せないほど温厚なのに、たまにリミッター解除されたように狂人と化す人。これみて改めて思いましたよ。異常なほど温厚な奴は絶対に怒らせちゃアカンって。
人生の教訓に出来るようなシーンも見終えたところで終盤物語カオスな展開になっていきます。
顔を文字通り滅茶苦茶にされたワフナーは血清を躊躇なく打ちます。そした強大な力を手にしたワフナー。とは言ってもですね結果的にみたらワフナーは誰一人倒せてないんですよね(笑)
そんな兵士としては功績0のワフナーに対抗するべく、フォード伍長、愛車はBMW(冗談です)がまさかの決断。チェイスの姿を観てるにも関わら血清を打っちゃうという。
思わずここはツッコミたくなりましたよ。いや気持ちは分からなくもないけどおの決断は兵士たちを束ねるリーダーとしてどうなの?とね。確かに今ワフナーに勝たねば未来はないのかもしれないけど、血清打たなくても何か他の策はあったんじゃないか?と思ったのもそうですが、そもそもお前ら命大事にしろよ!自分の命もそうだが、人の命も!
と色々考えていたら、その展開には釈然としなくてですね。「あいつさぁ、なんか身体から変なニオイするから別れた」と言われたあとの気持ちになってしまって。(理解できないけれど納得せざるを得ない感じ)
最初の波からは乗れなかったものの、「いやこれは、大義なんだ」と謎の理由づけをしましたら、次の波からはノリノリに乗れちゃいました。
けど一つ思うのはあれだけ無茶な展開にするならもっと行くとこまで行っちゃっていいのにという事。噛みつき合って両者グワァァァみたいな、それか人の力を越えた状態でのレスリングとかね。十字固めして力強すぎて腕ちぎれ、サソリ固めで足ちぎれ、両者四肢がない状態になり、最終的には口で噛み合い泥試合という展開。
いやそれだとどれだけうまくやろうと、B級作品になってしまうな。じゃあれで正解だったんだきっと(笑)
ということでラストは次の戦いに備えて~という着地だったんですが、ここで一つ気になったことがありまして。それは「ゾンビ化の適合・不適合条件について」です。
というのもボイスの安易すぎる行動によってゾンビと化したチェイスは、すぐに自我を忘れて暴走しましたよね。しかしワフナーとフォード伍長は自我を保ったまま拳を交わし合ったワケでして。
なんの説明もないから、整合性的にどうなんですか?と。は思ったんですが、やはりそれは女子で言うところの蜜壺(触れてはいけない部分)ということだと思いますのでこれ以上は触れません。
まぁそんなことはですね。今こうして整理して思い返しているので気づいただけで、鑑賞中は「イケー―――!ヤッチマエ――――!」と頭の中獲物を目の前にした猛獣状態で、楽しめましたので、これから観るよと言う人は心配する必要ないです。
J・J・Aの手腕によって見ごたえある内容となっていますのでね是非頭空っぽにして観ていただきたいです。
おわりに
ということで以上を持ちまして、映画「オーヴァー・ロード」の感想を終わりたいと思います。
ここまで私ミスター・カラスがお送りしました。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
