この所、「ジョーカー」そして「蜜蜂と遠雷」を観まして大満足な私ミスターカラスではあるものの、ロシア製作の戦車映画が出るということで、これはいかなきゃあかん!と。だってロシア発の戦車映画なんてレアじゃないですか!
ということで行ってきました新宿バルト9。東京ではバルト9と109シネマズ木場と立川にあるシネマ・ツーの3館しかやってないということでじゃぁバルト9しかないと(距離的な問題)
公開初日の夜の部。ジャンル的にも宣伝的にもあまり人が入らなそうと思いながら入場すると意外や意外結構入ってましたね。大体130~140人くらいかな。
客層は男性9割。若い人はほぼいなし!とまぁそうだよなぁと。もしかしたら私が1番若いのでは?というくらいでしたね。年齢は秘密です(笑)
ということで前置きはこのくらいにして、さっそく感想をお話していきたいと思います!
映画「T-34 レジェンド・オブ・ウォー」の感想
この作品の魅力が全て集約されているといっても過言ではないほどの「戦車アクションシーンの数々」!
序盤30分を過ぎた頃から開始されるロシア軍少佐のニコライとドイツ軍を率いるイェーガー大佐の攻防。
一か八かの隠れ蓑作戦を実行し、数的不利な状況下で敵軍隊を駆逐することができたワケですが、もうこの時点でこの映画の夢中になってましたよ(笑)
まず何が良いかってスローモーションを駆使したド迫力な撃ち合い。駆け抜ける一撃とはまさにこのこと。弾が戦車の横スレスレを通り去っていく様子や、砲塔から放たれる瞬間の(弾の)映像をスタイリッシュに描いていてブチ上がりMaxでございました。
CGの使いすぎによるリアリティ感の欠如は心配ではありましたが、多すぎてクドくなることなく使用出来ていたと思います。
そしてお決まりのラブシーンや、アツい絆シーンを経た後クライマックスである「まさかの戦車で逃亡シークエンス」へと突入するのですが、この戦車で逃亡というアイデアには度肝抜かれましてね(笑)まさかあんな巨体で、逃げようとするとは思ってもみませんした。
優秀で闘争心剥き出しなニコライですから、このまま敵に従うわけはないだろうとは思っていたのですが、戦車で逃亡はあまりにも無謀なのでは!?と思わずのはいられませんでしたね。
初めに計画を知ったステパンも同じことを思っていましたが、弾避け名人ニコライのこれまでにないくらい真剣な面持ちをみたら、淡い期待を抱かずにはいられなかったですよ。
いやもう本当に無謀なんですよ!?どれだけ無謀かっていったら、「軽自動車なんて無理。せめてエクストレイルね。服はポール・スミス系が良くて、背は180以上。デートの場所はこれじゃなきゃ嫌とかはないけど、ディナーはお洒落なとこがいいかな」
って言ってる女に「身長160cm(シークレットブーツ着用)、愛車はムーブの全身プージャー男が、マクド○ルドのクーポン片手にデート申し込むくらいの無謀さです。
ニコライも成功率は1000分の1とか言ってますから。
素人目ではなくプロから見ても無謀すぎる作戦というわけです。
さぁそんな無謀な作戦が幕を開けたのでいつも以上に目を凝らしてみていましたが、非常に楽しめましたね。
演習場内での煙幕は話題沸騰のゲームAPEXでバンガロールを好んで使う私ですら予想出来ませんでしたし、(自身は)手を汚すことなく部下をこき使う上官たちへの「お見舞い砲撃」は嫌な上司の携帯番号を2chに書き込んだ後、健康的な理由の為1年我慢したビールを一気飲みしたあとのような爽快感がありました。
爽快感Maxの状態でクライマックス突入。舞台は小さな町。夜明け前で辺りは暗く、虫の鳴き声どころか、おばあちゃんのいびき声さえ聞こえません。
そんな何かがおかしい。スターウォーズ的にいうと「嫌な予感がする」わけですが優秀なニコライはいち早くその異変に気付き、敵の意表をつく準備を整えます。
そして口火が切られるのですが、この暗闇戦闘シーンの仕上がりが非常に良い。
操縦手や砲手の焦りようが見事で観てるこっちまで手に汗握りましたし、戦争系の映画にありがちな「この中で1番の怖いもの知らずは誰だ?」という問いに対して、「俺しかいないだろ」と即答しちゃうヴォルチョクという件も(稀な意味で)最高でしたし、壁付きやぶったら敵戦車を鉢合わせシーンもイイ。砲台をお互いゆっくりと動かし、AIMしあう。この時のもどかしさったら異常なレベルでした。戦車の特性(デメリット的な)を十二分に活かした今作最高のシーンだったと思います。
そんな最高のシーンの後は、敵戦車との西部劇的決闘シーン。
ここではT-34という戦車の最大の特徴「高速走行」を十分活かした臨場感溢れるバトルシーンと言う様に最後の二つの戦闘シーンは戦車のイイとこもワルいとこも活かしながらにして、演者たちの演技力とやりすぎないCGを使って緊迫感や臨場感を最大限に発揮するというとても素晴らしいクライマックスでした。
皆は気付いた!?問題のあのシーンについて
今作はガチ戦争映画といってもいいくらい、真面目に振り切った作品ではあったものの、あるシーンだけ「え?これ狙ってるよね?」というウケ狙いシーンがありました。
そのシーンはどこかというと、咥えたばこが似合うことでお馴染みのステパンが、操縦スキルをふんだんに魅せつけるシーン。演習を目前にしてイェーガー大佐が戦車の仕上がりを見たいとワガママを言う所です。
戦車版定常円旋回をしたり、エセ片輪走行(でも凄かった)をしたりして自身の戦車テクをこれでもかというくらい見せつけた操縦手ステパン。
CGなしということもあって、非常に見応えあるシーンでしたが、なんとここで使われた音楽が誰もが知る「白鳥の湖」
「え?ここで?まぁ芸術的ではあるけど、ちょっとこんなにコメディ意識してあとの展開に支障きたさない?」と心配しながら観てましたが、まぁあれはあれで魅せ場としてはイイかもと(自分を)納得させようとしていたら演習が始まり白鳥の湖を忘れかけようとした所、白鳥は突如として舞い戻ってきたのです。
そのシーンはニコライ以外の3人が子供の様にはしゃぎながら湖で遊ぶシーン。
「あぁ、兵士たちの自由さ、解放感がまさかこんな形で表現されるとは」と呑気にみていたら、んん?一人動きがおかしいことに気づきます。
まるで白鳥のように腕を上下に振って羽ばたかせてる奴がいたんです(笑)
これには思わず吹き出しそうに・・・
なるほどと。確かに自分が監督でもそうするだろうと、かなり納得感がありましたね(笑)
まだ観てない人は湖で遊ぶシーン意識して見てみて!誰かは分からないけど1番左にいる奴だから!!!
おわりに
ガチガチな戦争ものだと思ったら、まさかあんな笑いが起こるとは・・・。しかも秀逸っていうね(笑)
あ、余談だけど、一つだけ異論がある。
最後の戦いの時、ニコライの「この中で1番無謀な奴は?」という問いに対してまっさきにヴォルチョクが手を挙げていたけど、1番の怖いもの知らずはニコライだから!!!
そのことはピストルを向けられても返事すらしないニコライを見れば明らかでしょうが!!!
ということでスッキリしましたので、以上を持ちまして映画「T-34 レジェンド・オブ・ウォー」の感想を終わります。
最後まで読んで頂いてありがとうございました!
