DVDショップでお洒落なパッケージに目を引かれて手に取って良く見たら主人公を演じているのがジュード・ロウという事が判明し、即レンタルしてしまいました。
ジュード・ロウといえばシャーロックホームズ(2009)やサイド・エフェクト(2013)そしてスルース(2007)といったサスペンス要素が強い映画の役に抜てきされることが多い印象です。
個人的に「スルース」のマイロ・ティンドル役を演じたジュード・ロウの奇抜的で迫力がある演技が好きで好きで堪りません。
余談が過ぎました。ではレビューしていきたいと思います。
目次
作品情報&あらすじ
作品情報
上映時間 | 104分 |
---|---|
公開日 | 2016年10月7日 |
監督 | マイケル・グランデージ |
キャスト | コリン・ファース、ジュード・ロウ、ニコール・キッドマン、ローラ・リニー他 |
制作年度 | 2015年 |
制作国 | イギリス |
あらすじ
舞台は1920年のニューヨーク。小説好きなら知らない人はいないであろう「グレートギャツビー」を手掛けた編集者パーキンズの元に駆け出し作家であるトマスの原稿が届く。なんでも数々の出版社から断られたほどの出来らしい。
しかしパーキンズが興味本位で目を通してみると、そこにはトマスの驚くべき才能が。パーキンズは言う「一生で一度出会えるかどうかの天才」と。
出版を決意したパーキンズ。そして「天使よ故郷を見よ」は見事ベストセラーに輝いた。そして更なる大作を完成させるべく二人はあるだけの時間を執筆活動に注いだ。
しかしそのせいでパーキンズは家庭崩壊目前。トマスの愛人アリーンは二人の関係に嫉妬しヒステリックに。多大な時間と労力を費やし第二作を出版するとまたしても大ヒット。しかし予期せぬ事態が二人を襲う。
見どころは!?
天才作家とベテラン編集長の熱意に涙
数主人公トマスは作家の卵。々の出版社から断られ続けていたが、ベテラン編集長であるパーキンズは違った。トマスが持ち込んだ原稿を読むと即座に出版を決意。
しかしトマスの原稿量は普通じゃ考えられないくらい多かった。そこで二人は昼夜を問わず時間がある限り小説の手直しをする。
しかし二人の添削はなかなか進まない。理由は作家であるトマスは原稿に近い状態で出版したい。しかし編集者であるパーキンズは必要でない部分はカットしたかったからだ。
そこには予算や時間など関係ない。「最高の状態で出版したい」という一心で二人は共に手直しをする。
小説に登場する『女性の瞳』の事だけで何度も何度も議論し合う。表現1つに何分もかける始末である。
作家トマスの剥き出る野心、そして編集長パーキンズの内なる苦悩。そして二人に共通する絶え間ない情熱を感じるシーンの数々は必見の余地あり。
トマスとパーキンズの世代を超えた友情
トマスとパーキンズは全くと言っていいほど似てない。風貌も性格も音楽の好みもなにからなにまで。しかし徐々に二人の間には友情が芽生え始める。
年齢は倍くらい違い、共通点も見つからない二人が友達みたいになっていく過程を見るのはなんだかほっこりする。
大人になるにつれて友達の作り方なんていつの間にか忘れてる。気づけば仕事や家庭に追われて友達がいないなんて人もいるだろう。
そしていざ友達を作ろうとしても色んな理由が邪魔する。自分の年齢や相手の年齢、趣味が違ったり、所得が違ったり。
でも本当はそんなの関係ないんだ。年齢が違くたって、趣味が違くたって、所得があまりに違うとしても友達になる事は出来るんだ。好きなおでんの具が違ったっていいんだってね。
友情に年齢や嗜好など関係ない。トマスとパーキンズの素敵な関係に目が離せない。
※以下ネタバレがありますのでまだ観てない人はそっと画面を閉じましょう。
本音で語る!ぶっちゃけトーク
「泣く」というよりか「学ぶ」事の方が多かった
クライマックスで泣けるという人は多いと思う。トマスには一部共感できた。しかし後味が良くなかった。
単純に感動というものではないからだ。それとトマスを反面教師にして学ぶ事が多かったという事もあるかもしれない。そのくらい複雑でシビアな感情になった。
もしこれから観てみようと思っている人がいたら、ハンカチの代わりにペンとメモ帳を準備していたほうがいいかもしれない。学ぶ事はたくさんあったから。
いややはりハンカチも持っておこう。備えあれば憂いなしだ。
あなたは天才トマス・ウルフに共感できるか?
トマスは天才だと思う。
天才と言い切れないのは私の周りに天才と思う人がいないから。だからトマスを天才と断言する事は出来ないが、明らかに常人離れしている事は間違いない。
立ち振る舞い、行動、発言から発想までの全てが奇抜的である。
これから観てみようと思う人は編集長であるパーキンズ視点で見るといい。トマスにはついていけないから。
もしトマスに共感できることが多々あるのであれば、あなたは天才なのかもしれない。
口を開けば詩的な言葉が。ちょっとくどいかも。
ジュード・ロウが演じる主人公トマス・ウルフは口を開けば詩的な言葉が次々と繰り出される。
この詩的な台詞を楽しめればこの作品の良さは倍増するだろうが、ポエム調な話し方に抵抗がある場合は観ていて飽きてしまうだろう。
台詞の量も多く、作家トマスと編集者パーキンズの台詞の掛け合いが大部分を占めている。
ダラダラしているわけではないが先述したように、詩的な台詞が良いスパイスとなるのかネックになるのかはあなた次第だ。
私は少しだけくどく感じた。最初は舞台みたいでワクワクしたが、終わるまでずっと続くので飽きてしまった。
まとめ
よっぽど小説好きでないと飽きてしまうのかな?といった印象の映画でした。
しかし登場人物の個性が強かったり山場もしっかり作られています。時代背景や、小説に詳しい人なら本作の楽しみ方は増えるかもしれませんね。
以上で洋画「ベストセラー」のレビューを終わります。
最後まで読んで下さった方ありがとうございました。
