ポスター – (C) 2018「空飛ぶタイヤ」製作委員会
先日邦画『七つの会議』を劇場にて観てきたのですが、それがまぁ面白いかったこと。
観てから三日くらいは頭ん中『七つの会議』でいっぱいでしたね。
原作を手掛けた【池井戸潤】さんはドラマ『半沢直樹』が盛り上がっていたころから知っていましたが、この映画で改めて才能を再認識しました。
それから池井戸潤さんの作品をもっと観てみたいと思い調べたところ『空飛ぶタイヤ』という映画を発見。
なかなか不思議なネーミングだなと思いながらも即レンタル。
ということで今回は『空飛ぶタイヤ』のレビューをしていきたいと思います!
※この記事にはネタバレがありますのでご注意ください
映画「空飛ぶタイヤ」の評価
はい星3つです。理由を述べていきます。
シンプルに感動するといったわけではありませんが、涙なしでは観られないシーンがあるということは高ポイント。
ここからは深堀して評価していきます。
良かった点。『泣き所がある事について』
段々に涙腺が緩み、次の瞬間グッと込み上げてくる思いと共に涙が溢れ出してきました。
それは葬儀場でのシーン。
亡くなった柚木妙子の夫である柚木雅文に罵倒された赤松達。
このシーンでは赤松側、そして柚木側の心境どちらも察することが出来るんですね
構図としては『自分の妻の命を奪った男たちを目の前にしている被害者の旦那』と『柚木妙子の命を奪ったのは私たちではなく別の誰かのせいだと疑う男(赤松)』ということになります。
が、皆さんご存知の通り、ここにいる人たちは誰一人悪くない。
こいつらに何言っても妻は戻ってこないと分かりつつも、感情が爆発してしまう柚木と慰めの言葉をかけることも、反論することもできずにいる赤松らをみているのは非常に辛い。
そしてそんな複雑なシーンが終わったかと思えば、次は被害者の子供である柚木高史が駆け寄ってくる。
何かと思えば表に『柚木妙子を偲んで』と記された手紙だった。
開けてみると柚木高史が拙い字で書いた文が。「もしかみさまにひとつだけおねがいするとしたらもういちどママとおはなししてみたいです」という内容でした。
柚木高史のナレーションと共に事故の時の映像が流れます。
涙こぼさずにはいられませんでした。
良い涙が流れたわけではないものの、葬儀場のシーン~事故時の回想シーンにはとても感情を揺すぶられて、物語に深く引き込まれたシーンでした。
子供のナレーションつきの回想シーンを用いる演出、そして柚木雅史役の浅利陽介さんの演技はとても良かった。
そのほかにも見ごたえあるシーンは多々ありました。しかし作品全体としては何か物足りない感じが・・・
きっと好みの問題でしょうね。
この前観た『七つの会議』ではシリアスな内容をエンタメ要素ありきで進行していく手法が良かったです。いわばギャップ萌えってやつですね。
私はそっちの方が好みでした。
映画「空飛ぶタイヤ」の感想
シリアス感満載なストーリーに抜きどころが欲しかった。
最初から最後まで終始シリアスな内容でしたね。
リアリティも十分感じれましたし、一つのドラマとしてはかなりまとまっていた印象でしたが、抜きどころが欲しかったかなと思いました。
というのも息が詰まってばかりで観ていて苦しかったんですよね。
ファッションに例えるなら、全身ブランドでコーディネートしている感じです。
少しだけコミカルな部分、いや内容的にコミカル要素は難しいかもしれないから、一見無意味な会話をもう少し散りばめてもよかったのかな?と感じました。
事故は怖いから今後とも注意していきたい
この物語では走行中のトラックのタイヤが外れるという、とても稀なケースの事故が起こりました。
そのせいで一人の女性の命が失われ、たくさんの人が辛い思いをしたことでしょう。(作中では詳しく描かれていませんが)
そして加害者(何も過失はありませんが)側も非常に辛い思いをしていましたね。
事故について私たちが普段意識することは少ないかもしれません。
しかし事故が絶えることはありません。
とても胸が痛くなる話ですが、私たちが今こうしている中、この世界ではたくさんの方が事故の被害にあっている事でしょう。
完璧な人はいないので、運転時にふとした拍子に些細なミスを起こしてそれが事故につながる事もあるはずです。
ですから事故を0にすることは出来ないでしょう。
しかし一人一人が交通ルールに乗っ取って、安全運転を心がければ、起きるはずの事故を未然に防いで、事故率を減らすことは可能だと思うんです。
私はもともと事故という事に対して敏感な人間でしたがこの映画を観て、より気を引き締めていかなければいけないと思いました。
おわりに
凄く重い話で、もう少しラフ作ってもよかったのではないか?とも思いましたが、よくよく考えてみれば、国民全員、いや世界中の人に関わる話なので、事の重大さを理解してもらう上ではよかったのかもしれませんね。
この映画を観て、事故率が少しでも下がってくれればと思いました。
これにて映画『空飛ぶタイヤ』のレビューを終わりたいと思います。
最後まで読んでいただいてありがとうございました!
