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私が東京に上京した年に公開された映画「イントゥザウッズ」。
約5年という年月が経った今ようやく観ることが出来ました。
というのもその年(2014年)に映画館にて観ようと思ったんですけど、その時期忙しくて観に行く事が出来なかったんですよねぇ。(大したことはしていませんが)
ということで、だいぶ遅くなりましたが、観ることができたのでさっそくレビューしていきたいと思います。
何故「イントゥ・ザ・ウッズ」はつまらなかったのか?
期待して損でした。
いや嘘つきましたね。ハナッから期待などしていませんでしたが、この作品は逆の意味での「期待を裏切る事」はしてくれませんでしたね(笑)
まったく面白くありませんでしたね。
壮大さを彷彿とさせるようなメロディライン。そのメロディラインに乗せて美声を震わせる豪華な役者たち。
そしてその役者たちが演じるのは、皆大好きシンデレラを筆頭に、赤ずきんちゃんやラプンツェル、そして豆の木ジャック(懐かしすぎ)という童話界のオールスターたち。
というように聞こえは凄く良いのですが、いざ蓋を開けてみると、あらまぁなんてことですの?
と言わんばかりの「おままごと」が繰り広げられていました(笑)
いえ「大ままごと」と言った方がいいかも知れません。なんせ見かけだけは壮大ですからね(笑)
では何故そんな事態に陥ってしまったのか?原因を紐解いていきましょうか。
①蒔いた種を放置していたことにより、作品への興味が薄れた
はいまずこれですね。蒔いた種とはジャックの豆の事ではありませんよ。
種、それはラプンツェルの事。物語冒頭でパン屋夫婦に魔女が昔話を聞かせましたよね。
「お前(パン屋の男)の父親のせいで私はこんな醜い姿になったんじゃ。だからその償いに私のいう事を聞け!」
っていうやつです。(このくだりからパン屋夫婦のアイテム回収ミッションは始まりました)
「え?俺の父親そんなことしたん?」と動揺を隠せないジャッキー・コーエンさん。(え?普段から動揺しているような表情だって?)ですが、その時魔女はこう言いましたよね。
「お前には妹がいる」と。
その言葉しっかり覚えていたんですが。
気付けばそのことに触れることなく終了のホイッスルが。
「え?妹はどこに行ったのでしょーか?」
妹の正体は映画を観てれば分かりましたが、それだけ?って感じです。
あのバ〇ァ。意味ねぇこと意味ありげに抜かしやがってこんちくしょう。って感じでしたね。
別にメインのストーリー自体に支障はきたしてはいない。しかし、何かあると期待させといてなんもなかったのは完全にマイナスポイントであります。
②「ご都合主義」満載なストーリー
第二にこれです。
子供を授かる為に必死なパン屋夫婦は、血眼になってアイテムを探します。
4つのアイテムを集めろという、ゲーム好きには堪らないミッション感。いえミッションですね。
なになに?ミルクのように白い牛さんと、金色の靴と、血のように赤い頭巾(頭巾のサイズじゃなかったくね?)と黄色い髪?
おぅおぅ最初の3つは分かるが最後の「黄色い髪とは一体なんのことやら?」
とちょっと見た目は大人頭脳は子供の迷探偵になったつもりで、考えていてこの時は少し楽しませてもらいました。
そしてそんな迷探偵の助言がなくとも、なんやかんやで全てのアイテムを集めたパン屋さんたち。
ご満悦といった表情で仁王立ちしているパン屋夫婦(してません)のもとに駆け寄る(駆けてません)がアイテムを確認します。
そして次の瞬間衝撃の画が。なんともうすぐ天国に行ってしまう(ジャックの母による証言)かわいい牛さんにシンデレラが履いたちょっぴり臭う靴(しかも泥付き)や赤ずきんのトレードマークである頭巾(これでもう赤ずきんちゃんではなく頭巾ちゃんいや、頭巾ないちゃん)などを飲み込ませていようとしているではないですか!?
そしてそんな一種の虐待ともとれる映像を見せつけられたあと、魔女は言った「乳が出ない」(すまん魔女がいったかどうかは定かではない)
いや待て待てそれ牡牛なんじゃないの?その4つのアイテム食べさせることでメタモルフォーゼでも起こるの?とプリキュアたちもびっくりの展開に終始唖然。
終いには金の髪はダメだったから、トウモロコシの髭部分でいいんじゃね?といった小学生みたいなノリを発揮する始末。
もうテニプリの跡部さんでいうとこの「破滅への輪舞」ですね。
とまぁ結局何が問題なのかというと、「何でもアリ感」がいけない。
小学生に何もない教室の中で「はい皆さん、今日の授業はもう終わり。今から何してもいいですよ~~~!」なんて言ってる教師みたいなもん。
わかりづれぇか。
あぁあれだ、オフサイドのないサッカーみたいなもん。
ルールがある中からこそ、盛り上がるんですよ。
それが何でもアリになっちゃうとね。つまらなくなるんですよ。
というわけで面白くない原因2つ目は「観る気が失せるナンでもアリ感」
③登場人物多すぎる&主役が多すぎて感情移入出来ない
最後はこれです。
キャラ&キャストが豪華で豪華で・・・・
それはとってもイイ事なんですが、いかんせん多すぎてゆっくり感情移入できなかったんですよね。
みんながみんな自分を主張し合ってるものだから、もう私は蚊帳の外状態。
もう勝手にやってくれいって感じで。
監督さん、私はそんなにコロコロ違うキャラの気持ちが分かるほど切り替えうまくないのよ。というのが正直なところ。
他の人はどうだったんでしょうね?シンデレラの気持ちになりきって泣いたあとに、次はパン屋の旦那になって、またワンワン泣く。
なんてことできる人いるのでしょうか?それとも私が人の気持ちが分からない非情者?
まぁそう言われてもかまいませんが、そのくらい私にはこの映画のキャラに溶け込むことは出来なかったですねぇ。
というように大きく分けるとこの3つのせいで、駄作に感じてなりませんでした。
この映画を一言でいうなら「指揮者のいないアンサンブル」
もう統率感がなくて、観てられない。
かなり酷評よりではあるが、もちろんイイとこもあった。
散々酷評していますが、もちろんいいとこもありましたよ。高い水準でも演技力を魅せる役者たち。そして何度練習したんだろう?と思わせるくらいの美声の数々、思わず鳥たちも歌いたくなるような綺麗なハーモニー。
そして、この物語を大きくとらえるならこの森での出来事が人生そのもの。
時に迷い、時に決断し、うまくいったりいかなかったりと波乱万丈な展開と共に人間たちの醜い心情が映し出されるそれをみる鳥たちが「童話の主人公らも一人の人間なんだよ」と囁きかけてくるような気も・・・・
ラストシーンでは「皆独りじゃないんだよ」というセリフに沿ったようにははぐれもの達がこれから一緒に住もうという展開。
展開はめちゃくちゃでキャラたちの独りよがりな考えのせいで色んな事件起こっちゃうけど最後はしっかり愛のメッセージを私に届けてくれました。
誰が届けたのって?
決まってるでしょ?
もちろんラプンツェルだよ(ラプンツェル推し)
おわりに
これほどまでにいい食材を使って、よくもまぁこんな料理を・・・
危うく食べ残しちゃうとこでした。
それでも「伝えたいこと」はかすかに心に届きましたよ。
かすかにですけどね
ということでこれにて映画「イントゥ・ザ・ウッズ」の評価を終わりたいと思います。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
